近年、保存についての関心が高まるにつれて「帙」や「桐箱」などの伝統的な保存容器が改めて見直されるようになりました。こうした器具に収納され、さらに「目通し」「風通し」されてきた伝世品は現在でも良い状態で残ってきていますが、これは保存環境を考え、充分に管理することで典籍が延命できることの証といえるでしょう。また保存に関する研究が進むに従い、目的や用途に合わせた保存用紙等も開発されてきました。史実をふまえ、材料や製造方法を調べた上で優良と思われる保存容器を選び、ご紹介いたします。
当社の保存製品はオーダーメイドのシステムを採っています。
収納をすべき典籍や文書の多くは手作りであるために、一つ一つの寸法が異なっていたり、縦、横、高さが不均等であるものもよく見掛けます。さらに都合によって合本されていたり、一部折れたり破損しているものなど、その保存状態もまちまちです。
しかし残念ながら、そうした状況を考慮せずに不適切な容器に収納したために、かえって傷んでしまった例を目にすることがあります。そこで当社では、より良い状態で保存していただくために細心の注意を払いながら、一点一点計測させていただいた上で製作しております。 |